骨盤の関節(仙腸関節)がゆがむと体の軸が乱れ、腰の痛みだけではなく他の部所にも大きな影響を与え続けます。座骨神経や膝の痛み、足のしびれなど下半身の症状や背中の痛みや肩や首の痛みなど上半身の症状です。もちろん内部臓器にも。

 これらは自然治癒力が働き、自然に治まることや体型を変えること(変形)で収まることがありますが長い時間がかかります。特に肩関節の固着や強い痛みは長年の軸の狂いの結果ですから、症状の回復には時間がかかります。

腰が痛い、重いなど全身に影響が及ぶ前の早いうちの手当が効果的です。

 

 人は重力のもと二足歩行をすることで進化してきました。歩行することで関節や筋肉などの運動器や内部臓器は効率よく働くようになっています。また自己回復力の向上にも、成長期の子供にも歩行は絶対必要なものです。

しかし現代人はこの歩行が極端に減少し、不自然な姿勢や外力によるバランスの乱れをただす働きが低下してきています。

 

 

 腰椎から出る座骨神経は骨盤を通り足の方へ行くのですが、仙腸関節が潤滑不全(ゆがみ)を起こすと腰痛(慢性、急性)だけではなくそのゆがみに神経や筋が牽引され痛みやしびれといった症状が出ます。いわゆる座骨神経痛です。

 通常の損傷なら歩行によって地面からの応力が仙腸関節に伝わり、骨盤が閉まり安定させる方向に向かいますが、一度そうなると歩行だけではなかなか収まらないので、体の軸を維持するため体型(背中が丸くなる、腰が曲がる)や膝(外反膝)の変形で帳尻を合わせようとするのです。

 また尻餅をついてなどの外傷損傷はこれと逆の潤滑不全状態になり、ガツガツ歩くことによって悪化させることがあります。(特徴‥内反膝、そっくり返り姿勢での歩行や座り姿勢)

 

バランスチェック

○階段の昇降はいつも同じ足から踏み込む。

○移動はもっぱら車、バイク、自転車が多い。

○物をつかむときはいつも同じ側でつかむ。

○バックや荷物はいつも同じ側に持つ。

○歩くコースはいつも同じコース。

○歩く道は進行方向で左右どちらかにに傾斜していて同じ側。

 

心当たりのある方は意識的に少しずつ逆の行動を組み入れる、または違うコースを歩くことを心がけてバランスをとってください。

 

《基本的な歩行方法

●つま先は広げず平行に、踏み込みはつま先を上げ足首を使い一本の線を挟むように。 ●歩幅を広げる。でもピョンピョン飛ばないようやさしくソフト着地。 ●腕は前に振ると言うより、胸を広げ肩甲骨を閉める感じで後ろに引く気持ち。 ●まっすぐ前方を見る。 ●連続歩行を、出来るところから30分以上、40分くらいを目標に。

 

歩くってどんないいことがあるの?

歩くと仙腸関節(腰のちょうつがい)がポンプの働きをして脳脊髄液を循環させ頭をはっきりさせます。ソファーのように尾骨を押さえる座り方をするとポンプが働かず頭がぼんやりして眠くなります。長時間の常習は認知症の元です。勉強、座業に疲れたら横になるより近くのコンビニにでも散歩に行きましょう。

歩行で足首を使うことにより、血行がよくなり、むくみ、だるさ、ムズムズ病の予防になります。

イライラ、腹立ちなど精神の安定に役立ちます。歩いているうちにつまらないことが気にならなくなってきます。腹が立ったら問題を起こす前に歩きましょう。ものを覚える、考えをまとめるにも、鬱状態の改善にも効果的です。

新陳代謝を促進し、消化器系、循環器系、運動系に刺激を与え活動を活発にします。冷えを予防します。外で飲みすぎたら危なくないよう気を付けて歩いて帰りましょう。 ほかにも例えば、ソラマメの形をした腎臓がマラカスのように振られ、振り洗いのようにな働きをして掃除してくれます。

正常な体幹軸を維持し、土台部である腰や膝、足関節などの下半身、吊性部である腕肩部、背筋部、頭頸部などの上半身部の損傷や痛みを防ぎ、回復させます。

成長期の歩行は幼児体型から大人の体型に変化させます。側湾を予防します。ハイハイ、高這い、つたい歩き、ヨチヨチ歩きと移り変わることで股関節、仙腸関節の形成に役立ちます。

寝てるより、座っていた方が、座っているより立って動いた方が、ただ動いているより歩行した方が体のためにいいです。特に寝たままの飲食は誤飲性肺炎の元です。

まだまだたくさん。

 

気圧に体調が左右される

 天気がいいと体調がいい。天気が悪いと調子が悪い。なぜ? それは人間は密閉された袋だから。高気圧が来て天気がよくなるとまわりの圧力が高まり体が圧縮されるのです。血液の流れも神経の伝達もよくなるのです。低気圧が来ると気圧が下がり、体がふくらむのです。体が膨張する事にとても弱いのです。わずか数千メートルの山に登っただけで体調が悪くなります。高山病です。ほんのわずかの気圧低下で頭痛や倦怠感などでヘロヘロです。

 逆に圧縮は体調をよくします。高気圧の到来はもちろん、水の中など全身に圧力がかかり圧縮されると精神的にも体調的にも好調になります。関節の動きの改善、リハビリにも圧縮しながらの動きがよいのです。

 気圧の変動に強くなるにはどうすればいい? それは動いて筋力をつけるしかないのです。どうやって筋力をつけて袋を強くするのか。それは体に重力を受けて動き回るのがいいのです。歩行です。日常的に30分以上、歩幅を広めに歩きましょう。そこまで弱っていると、ちょっと時間がかかりますがどんどん改善されてゆきます。でも無理せず出来るところからね。